辻村崇の小部屋

こちらは株式会社トミーウォーカー運営のPBW『サイファ』の辻村崇のキャラクターブログです。ブログ内のイラストの使用権は当キャラに著作権は絵師様に全ての権利はトミーウォーカー(株)が所有します

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仮プレイング~葵の誕生日 ~猫カフェに行こう!~

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~葵の誕生日 ~猫カフェに行こう!~ の仮プレイングだよ
癒し空間でまったりしたいね!


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【崇の旅その4】そして

誠司お兄ちゃんは言った。
「俺たち能力者は万能じゃない。だから、みんなは救えない」
「それでも、俺たちはこの世界を守りたいと思ったんじゃないのか?」
僕は守りたいと思った。
自分にできることがあるならやりたいと思った。

その夜、誠司お兄ちゃんが帰った後…星が瞬く空を見上げる。
「ねえ、お父さんはどう思う?」
今は亡くなったお父さんに聞いてみたい。そう思った。
いやきっとお父さんなら…
お父さんなら、こう言ったに違いない。
『やり始めたのなら最後までやりぬけ。辛かったらお父さんもお母さんもいるから。
それに、きっと崇の周りにも助けてやりたいと思う仲間がいると思うぞ。』
「そうだよね。僕は一人じゃない。僕にできなくても仲間と一緒なら!」

自分の罪が消えるわけじゃない。
でも僕は、この世界を守りたいと思った。
少しでも多くの人を救いたいと思った。
彼を救えなかったことは、一生涯後悔すると思う。
「ばけもの」と呼ばれたこともきっと忘れない。
その痛みを引きづったとしても、それでも…
「僕は、銀誓館で僕のやりたいことをやり遂げるよ」
誰も殺させない、皆を護ること。
果てしなく理想的でそして無謀だけど…。それが僕の誓いだ。
でも、きっと。
僕の甘さも優しさも知ってそれを叱咤激励してくれる仲間がいるから…。
何より心配してくれる仲間がいてくれたなら。僕はやれる。
理想ではなくても少しでも理想に近づいていくことは無理じゃない。
心は決まった。

それから数日が経った。
僕は帰ってきた。懐かしの花園へと…
入口で深呼吸を一つ
自分の誓いをもう一度心に刻む。
ここからはもう自分を偽らない。誓いを胸に全力で走る。そう決めたから。

崇が立ち尽くしていると
美しい庭から一人の青年が顔を出した…時人お兄ちゃんだ
「おかえり」
なにも言わずそう言ってほほ笑む。
聞きたいことはたくさんあるはずだけど、
いつも通りの言葉をかけてくれることが日常に戻れた気がして、
それがとてもうれしかった。
だから、いつも通り「ただいま」といって笑う。

時人お兄ちゃんは頷いて
「おいしいお菓子があるんだよ。お茶にしよっか」とか言いながら頭をなでてくれる。
「やったー」
いつもの日常が再び始まる。

【崇の旅その3】来訪


「崇、お客さんだよ」
階下からお母さんの声が聞こえる。
「はーい、今いくよ」
算数ドリルの上にシャープペンを勢いよく投げだし、部屋を出る。
(僕にお客?誰だろう…)

「よ、元気そうだな」
そこには金髪に髪を染めた長身の従兄が立っていた。
「誠司兄ちゃん…」
にやりと笑うその顔は僕を攻める気がないのはわかる…
でもなんとなく後ろめたい。

ゆでた栗をお茶うけにしてリビングで二人向き合う。
「へーこの栗はその庭のか…結構いけるな」
「うん…」
「ったく、心配したぜ。いきなり書置きして消えるんだもんな」
「うん、ごめん…」
「ま、お前のお母さんから話を聞いたときは安心したが」
どうやら、誠司お兄ちゃんに連絡を取ったのはお母さんだったらしい。
余計なこと…とちょっと恨めしい。

「さて、ま、なんだ。本題にいこうか」と誠司お兄ちゃんが唐突に口火をきった。
「崇。お前、能力者をやめたいのか?」
言っている意味が解らないので崇は聞き返す。
「? どういうこと?やめようといってもやめれないじゃないか」

「そこははき違えてないと…安心したよ。」
それをみて誠司お兄ちゃんはにやりと笑う。

「それを踏まえて聞くけどな。お前はどうして逃げたんだ?」
胸が痛い…
「そ、それは…」
「この前の依頼が不本意な形で終わったのは知ってる。そのショックだってのも察しがつく」
いつも以上に優しい語り口
「正直…目の前で人が死んだんだ。ショックを受けないほうがおかしい…」
だけどなと 誠司お兄ちゃんは続ける
「俺たちは見たはずだ。すでに救えない人たちがいたことを…戦争で亡くなってきた人のことを」
ああ、そうだ。僕は戦争で…コマンダーとしてそれを見てきた。
見続けなくちゃと思った。
それが、僕の責任だから。
「その覚悟がなかったとは言わせないぜ」
(…覚悟が足りなかったのかな?)崇はそう思った。

【崇の旅その2】 母親のぬくもり

実家に帰ってきて、数日が過ぎた。

今頃きっと運動会なんかやっているのかなと思いながら、
僕は、サンフロアから栗の木を眺める。

お母さんは何も聞かない。聞かないでくれているのがわかる。
いつも通りに3年前にここを離れたときと同じように接してくれる。
それがうれしくて…ついつい母親の後をひよこのように追ってしまう。

今も母親に膝枕しながら耳掃除をしてもらっている。
きっと同級生が見たら笑うだろうなぁと思いながら、その心地よさに甘えていた。

「お母さん…」口が勝手に開いた。
「うん、どうしたの?」
止められない。
「僕ね。助けられなかったの」
意味不明な言葉の羅列。
でもお母さんは…
「…助けたかったの?」
ただ一言、言ってくれた。
「うん、その人が死にそうだったから…だから、助けたかったの…でも助けられなかった。」
「…」
「…僕ね。その人に気持ち悪いって言われて、思わず呆然と立ち尽くしちゃったんだ」
「…」
「本当はね。わかっているんだ。本当にショックだったのは…化け物って呼ばれたこと」
「…崇は、自分が化け物だって思うの?」
お母さんが頭をなでながら聞いてくれる
「ううん、思わない。」
「お母さんは崇が化け物だとは思わない。それはね、確かに他の人とは違うかもしれない。
 でもお母さんにとっては甘えん坊で優しい私のかわいい息子だよ。」
「僕は…優しくなんかないよ…」
思わず心から吐露する。そう少しも優しくない。
「ううん。優しいと思うよ。その人を助けたいと思ったんでしょ?」
「それは当然だよ…。」
僕らはそのために力を手に入れたんだから。
「そこを当然と言い切れるところが優しいと言ってるんだけどね。」
お母さんは笑いながら続けていった。
「優しい気持ちを持っている限り、崇はきっと化け物じゃないよ。人間だとお母さんは思うけどね」
その言葉の意味を崇は察した。

要は心の持ちようだと。
人に役に立ちってその人を救いたいと思う心をなくし、
自己満足の為に他人に危害を与え始めた時、化け物となるんじゃないか。
お母さんはそう言っているのだ。

やがて…崇は黙り、母親は耳掃除を再開した。

【崇の旅その1】 実家への帰宅

…北海道の風はもう冷たかった

「帰ってきちゃった…」
大きな栗の木が茂った、ちょっと古いけど大きな家。
崇はその家の前で呟いた。
幸せな思い出がたくさん詰まった、ほんの3年前まで住んでいた家。

あの日…10月2日の月からの使者が来た日
誠司お兄ちゃんに引っ張られるように戦場に立った僕は…
怖くなって逃げた。
人が傷つくのを見るのが怖かった…。

いや違う。
あの人が…僕たちが救えなかった彼が「なんで見殺しにしたのか」と言いながら
抗体ゴーストの中からあらわれて襲い掛かってきそうで怖かった。
そう…毎夜、夢に出てくるように…

だから逃げた。
敵前逃亡した。

きっとみんな許してくれないだろう。
誠司お兄ちゃんもあきれたはずだ。

逃げて逃げて…僕はここにたどり着いた。
生まれ故郷のここに。


―日が暮れる。
今日はどこに泊まろう…すでにここに来たというのに僕は迷っていた。

「あら、崇…」
不意に背後からかけられた優しい声に、びくっと背中を震わせる。
ゆっくり振り向く僕にお母さんは言った。
「おかえりなさい。」
涙が止まらず、僕はお母さんに抱き着いて泣いた。
そんな僕をお母さんは黙って抱きしめてくれた…

僕は帰ってきた… 続きを読む
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