辻村崇の小部屋

こちらは株式会社トミーウォーカー運営のPBW『サイファ』の辻村崇のキャラクターブログです。ブログ内のイラストの使用権は当キャラに著作権は絵師様に全ての権利はトミーウォーカー(株)が所有します

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【崇の旅その2】 母親のぬくもり

実家に帰ってきて、数日が過ぎた。

今頃きっと運動会なんかやっているのかなと思いながら、
僕は、サンフロアから栗の木を眺める。

お母さんは何も聞かない。聞かないでくれているのがわかる。
いつも通りに3年前にここを離れたときと同じように接してくれる。
それがうれしくて…ついつい母親の後をひよこのように追ってしまう。

今も母親に膝枕しながら耳掃除をしてもらっている。
きっと同級生が見たら笑うだろうなぁと思いながら、その心地よさに甘えていた。

「お母さん…」口が勝手に開いた。
「うん、どうしたの?」
止められない。
「僕ね。助けられなかったの」
意味不明な言葉の羅列。
でもお母さんは…
「…助けたかったの?」
ただ一言、言ってくれた。
「うん、その人が死にそうだったから…だから、助けたかったの…でも助けられなかった。」
「…」
「…僕ね。その人に気持ち悪いって言われて、思わず呆然と立ち尽くしちゃったんだ」
「…」
「本当はね。わかっているんだ。本当にショックだったのは…化け物って呼ばれたこと」
「…崇は、自分が化け物だって思うの?」
お母さんが頭をなでながら聞いてくれる
「ううん、思わない。」
「お母さんは崇が化け物だとは思わない。それはね、確かに他の人とは違うかもしれない。
 でもお母さんにとっては甘えん坊で優しい私のかわいい息子だよ。」
「僕は…優しくなんかないよ…」
思わず心から吐露する。そう少しも優しくない。
「ううん。優しいと思うよ。その人を助けたいと思ったんでしょ?」
「それは当然だよ…。」
僕らはそのために力を手に入れたんだから。
「そこを当然と言い切れるところが優しいと言ってるんだけどね。」
お母さんは笑いながら続けていった。
「優しい気持ちを持っている限り、崇はきっと化け物じゃないよ。人間だとお母さんは思うけどね」
その言葉の意味を崇は察した。

要は心の持ちようだと。
人に役に立ちってその人を救いたいと思う心をなくし、
自己満足の為に他人に危害を与え始めた時、化け物となるんじゃないか。
お母さんはそう言っているのだ。

やがて…崇は黙り、母親は耳掃除を再開した。

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